今後の相場見通しについて('23, 4/22)

自分の考えの備忘録としてこれから数週間に一度ぐらいまとめていきたい(続かなさそう)読んでもらうことを前提に書いていないので読みづらいかもしれません

株式

日本株

バフェット効果により一時昨年8月の高値に迫る場面があった。海外でもバフェットの日本株買いが盛んに報道されたようで、最新の投資主体別売買動向によれば海外勢は現物で1兆円、先物でも5000億円の買い越しで終わった。

投資資金の多くはバフェットの話題性に乗せられてる足の短いものであるので天井はかなり近いと感じているが、個人的には日経の上昇トレンドが終了しているようには感じられない。4月28日にある日銀会合も現状維持を決め込む可能性が極めて高く、これもロンガ―にとってはいい大義名分になるであろう。

以上を踏まえると、21年9月につけた30500を超えるようなことはないと思うが、まだショートを打つには早いと思われる。ナンピンする覚悟で少しずつ売っていくという戦略が正しいように感じられる。

・米国株

米国の指標は全体的にかなり悪化しておりもはやここに載せきれる量ではない。今年度中のリセッションは確実であると予想する。「指標は強弱入り混じっているのでまだどちらに転ぶか分からない」などと宣う者もあるが、一時期前の強い米国指標を考えれば紛れもなく暴落は一寸先まで近づいたと考えるのが合理的であり、目を覚ますべきである。

直近のリセッションを見ると、(コロナを除き)ドットコムバブルでは底打ちに24か月、リーマンショックでは底打ちに14か月かかっているため、sp500最高値を取った21年12月から数えれば今年の7月前後に本格的な暴落が来てもおかしくないのではないか?とは思っているものの、マーケットのタイミングを計ることは事実上不可能でありこうした予想は占星術の域を出ない。

現在sp500は4140程であるが、歴史的には暴落時にEPS、PERともに最高値から3割ほどの調整が入っており、21年12月の5000ドルから2500ドル程度が米国株の直近の底になるのではないかというやや大胆な予想を置いておく。

上でも述べたようにタイミングが計れない以上、実施すべき戦略は時間をかけてショートポジションを構築していくことしかないという結論になる。具体的には、逆金融相場から逆業績相場へ既に移行した米国株について、今更Bad news is Good newsとなることは考えづらいため今後は悪指標に引きずられて落ちていくという想定の下、22年8月の高値である4300は超えないという絶対防衛線を設定し、そこを背にして売り下がっていく戦略を実行していきたい。

為替

ドル円について

米国のリセッション及びそれに伴うインフレの低下が必至となる以上、米国は金利切り下げを強いられるタイミングが必ず年内に来ると思われる。市場はそれを織り込んでおり、ドルは買われづらい状況にある。事実DXYは現在昨年5月以来の安値を付けている。

一方で円はと言うと、日銀が植田体制になってすぐにYCC修正に走るとは考えづらい。ロイターから本日政策据え置きの見通しを報じる記事が出ているが、YCC修正が若干のサプライズを伴う必要がある以上全幅の信頼は置けないものの、総裁に就任していきなり市場の寝首を掻くようなことはしないはずだ。(これが黒田さんならやりかねない)

jp.reuters.com

更にこれは極めて主観的な話なのだが、昨年の介入のタイミングを見るに日銀はマーケットよりもずっとマーケットに精通しており、それに合わせて政策運営を行っているように思える。欧米の金融市場が混乱を極めている今、緩和修正によって市場へ流通する資金量を減らせば火に油を注ぐようなものであり、そのことも早期の修正を妨げる足かせとなっているのだろう。

以上を踏まえると、日銀がサプライズ修正を行ってこない限り昨年のような大相場がドル円で起きるとは考えづらく、暫くは130~135あたりのレンジになる可能性が高いと予想する。

その他

低下するDXYを尻目に米国の短期金利は上昇を続けている。これは米国のDebt Ceilingに関する合意が共和党民主党の間でまとまりそうになくそのためテクニカルデフォルトに陥る可能性が懸念されているためであるが、殆どチキンレースの様相を呈しており意味のある値動きではないと考える。

WTI原油OPECの減産報道を受けて一時窓を開けて83ドル半ばまで上昇したものの、現在再び77ドル付近まで下落している。コモディティ市場もリセッションを予期しており、多少のニュースでは下落トレンドは反転しないだろうと思われる。原油と比較的連動性の高い大豆油の価格が下落を続けていることもこの証左になるだろう。